PICK UP PLAYER 安間志織選手 vol.2 パス編

COURT VISION by T-BOOK

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=山城拓馬がバスケットボールを観ている視点や知識で深堀りします。

たくま
山城拓馬

■今回のピックアップ選手は…
安間 志織選手です。

安間 志織選手について

安間 志織(やすま しおり、1994年7月22日)選手は、日本の女子バスケットボール選手である。ニックネームはレン。ポジションはガード。沖縄県出身。ドイツのアイスフォーゲルUSCフライブルク所属。Wリーグ2020-21シーズン、トヨタ自動車は初優勝し、プレイオフMVPに選ばれました。また、ドイツの女子バスケットボール・ブンデスリーガ(ドイツ語版)(DBBL)所属のアイスフォーゲルUSCフライブルクに移籍してからも、DBBLでアイスフォーゲルを優勝に導き、First Team,Finals MVPを獲得しました。
*参考資料は岩井 貞憲( 越谷U18 HC)さんより了承を得て使用しています。
※上記の局面の構造を元に映像を編集、またオフェンスプレー原則を抽出しています。

 

前回はvol.1 シュート編についてお話をお聞きできました!

今回は安間志織選手のvol.2 パス編ですね!

たくま
山城拓馬

前回のシュートでは、安間選手の積極的な攻撃性という視点からシュートの分析・考察を行いました!

今回のパス編は、※①目配り・気配り・心配りですね。

目配り・気配り・心配りバスケに関係するんですか?

たくま
山城拓馬

それが結構必要だったりするんですよー。人間のするスポーツですので、感情や態度がプレイに表れやすいと思います。

シューターやビッグマンがボールに触れずにいる時間帯が長いとフラストレーションが溜まっていって、ガードの選手への信頼が下がったりします。

それで僕は何度か失敗してますし…泣

 

山城さんでもそんなことあるんですね?

意外です。

たくま
たくま

それ結構言われます。笑

僕は鈍感な方なので、意識していないと相手に対して目配り・気配り・心配りができなくなっちゃいます。

一方で、安間選手は積極的にシュートに行くんですが、目配り・気配り・心配りがあるので、パスがまた素晴らしいんですよ。

目配り・気配り・心配りとは、バスケで言うと

具体的にはどういったことですか?

たくま
たくま

前回、シュートvol.1でご説明した時の積極的な攻撃性、その際のDFヘルプの位置、味方の位置関係の把握の早さが素晴らしいという事を前提にご説明しましたが、今回のvol.2でのパスについても分析して、具体的に説明していきたいと思います!


 

パスを分析

たくま
たくま

積極的な攻撃性のメンタルマインドを持つ安間選手ですが、味方を活かすパスの技術もワールドクラスです。

局面の構造のDF→OFに切り替わった場面で、※②PASS A HEADの姿勢は常に持っていますし、そこを見逃さない鷹の目のような俯瞰的な視野とパスを通すタイミングも絶妙です。

山城が選ぶベストPASS A HEAD(パス ア ヘッド) の動画は、3:57に魅せたパスです。オフェンスプレー原則1.OUTRET→2.CASTING / SPACINGで相手チームが陣形を整える前に見方を瞬時見つけて、針の穴を通すようにチャンスメイクできる力はさすがです!あのタイミングでパスを通すには、見て判断では遅くなる恐れがありますが、安間選手はその前段階で走っている味方を把握していると思われます。ここに目配り・気配り・心配りを感じます。

 

たくま
たくま

次の着目ポイントは、ガード目線になるかもしれませんが、特にオフェンスプレー原則OUTLETパスを受ける動きはリバウンダーが出しやすいように顔を覗かせるようにパスを貰うのが上手です!目配り・気配り・心配りがこの場面に多く見受けられます!

山城の着目ポイントは、見方を活かすパスの前に走るレーンの移動中へのパスを意識させてから外へ!多くのプレイで※③PAINT TOUCH(ペイント・タッチ)してからキックアウトパスを行っていました。相手チームも安間選手のシュートを警戒するので、ペイントへ収縮するしかありません。よって、外の見方がフリーとなる状況を作りだせています。
【HIGHLIGHT】21-22 安間志織_SHIORI YASUMA
 素晴らしいパス!

このパス受けてみたい!

安間選手のパスはトヨタ時代からシューターやセンターへのパスは魅力的でした!

たくま
たくま

安間選手のアシストパスはファンを魅了しますね!

相手チームが陣形を整える前にチャンスメイクできる力はさすがです!


考察

安間選手のパスの魅力が伝わりました。山城さんは安間選手のパスの技術から何を感じられますか?

たくま
たくま

安間選手は味方のプレイや心の動きをいつも把握するようにしているのかもしれないと感じました。

普段からコミュニケーションを取っていないと、スウィングマン・ビッグマンといった選手のあの走りは生まれないと思うので…

局面の構造から説明していただけますか?

※上記の局面の構造からさらにオフェンスプレー原則だけを抽出しています。

たくま
たくま

映像をフルでご覧になられた方は、何となくわかるかもしれませんが、DFからOFへのトランジション(攻防の切替え)が変わる瞬間から安間選手のガードとしての働きが大きいです。特に上記のオフェンスプレー原則OUTLET→ENTRY→ATTACKという順序の中でのオールコートの捉え方、使い方が上手だと思いました。

特に上手だと思われたのは、どういうところですか?

※コートの捉え方①(ゾーン×アクション

たくま
たくま

※コートの捉え方①(ゾーン×アクション

OUTLET ZONE(アウトレット ゾーン)からDECISION ZONE(ディシジョン ゾーン)にかけて、ボールを運びながらも走るレーンを横に移動しながら、味方の走るレーンを空けてそこへパスを通すなど、ボール運びの中での状況判断が素晴らしいと思いました。

※コートの捉え方②(レーン×スポット

たくま
たくま

※コートの捉え方②(レーン×スポット

本来であればMIDDLE LANE(ミドルレーン)だけをボールハンドラーが行きがちになりやすいところなんですが、味方がスポットに行くまでの走りのスピードや引き付ける動き・タイミングも素晴らしいと思いました。

なるほど!日本で磨いてきた安間選手のバスケスタイルは、やはり世界でも通用することを個人でも証明されているのですね!

たくま
たくま

安間選手のパス、アシストパスは今後も磨きがかかっていくと思いますし、チームのレベルを引き上げるパッサーとしても今後が楽しみです!

次回はvol.3 ディフェンス編を掘り下げていきたいと思います。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました!

また、YOUTUBE「T-BOOK / 山城拓馬」のチャンネル登録と高評価もよろしくお願いします!


用語解説

※①目配り・気配り・心配りとは、「目配り」は周囲に目を向けることを表す時に使い、「気配り」は相手を考えて行動することを表す時に使い、「心配り」は相手の立場になって行動することを表す時に使う。
※②PASS A HEAD(パス ア ヘッド)とは、失点後、もしくはディフェンスリバウンドのあと、対象が移動しているときに、早めにその経路を決定し、最初に出すパスのこと。パス主導でボールを運ぶ意識。
※③PAINT TOUCH(ペイント・タッチ)とは、制限区域(ペイントエリア)に、ボールを進めることです。特にドライブでボールを進めた時に用いることが多いです。
ペイントまで持ち込んでキックアウトしたらペイントアタック、レイアップまで持ち込んだらゴールアタックなどと呼び分けたりもします。

参考資料

※参考資料として、岩井さんには事前に確認後、ブログの参考資料として使用しています。

岩井 貞憲(いわい ていけん)

Basketball Coach|2018-21 B.LEAGUE アースフレンズ東京ZU15 ヘッドコーチ|2021- 越谷アルファーズU18ヘッドコーチ,U15アシスタントコーチ

Twitter:@CoachTK13

Instagram:@teiken32

Note:岩井貞憲

廣畑ともや@T’s Factory🏀個人スキルコーチ

小学1年生からプロ選手まで教える元針灸師の🏀コーチ【5、10年先の未来の育成!】/バスケスクールT’s Factory代表

Twitter:@tomo8n

Youtube:T’s Factoryバスケットボールスクール

Instagram:tsfactorytm8

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